五月の風

朝から、白金の冷たい雨が降りそそぐ。
今日で、五月も終りです。


今月は、中学二年まで、私を育てて下さった、
育ての母との永久の別れが有りました。

何れは来る事と知ってはいても、
胸に穴が空いた様な、
空しさに包まれたひと月でした。


「明るい雨がこんなにたのしくそそぐのに
馬車が行く　馬はぬれて黒い
ひとはくるまに立って行く
もうけっしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云ったとこで
またさびしくなるのはきまっている
けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと悲傷とを焚いて
ひとは透明な軌道をすすむ・略」 ―宮澤賢治・小岩井農場から・




人は幾つもの、悲しみと苦しみの中から、立ち上がり、
夢と希望に向かって歩き出す。
決して諦めないで、かならず願い事の叶う、
ニライカナイに向かう。
　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 倖　三