五月の風

寒い五月の雨の中、街では国際ハーフマラソン、
青葉山では、学生パワーリフティング選手権が行われていた。

冷たい新緑の空気の中で
「お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい」と母を思いやる詩を書いた息子に
「わたしの息子よありがとう　ありがとう　息子よ　
あなたのすがたを見守って　お母さんは　生きていく　
悲しいまでの　がんばりと　
人をいたわるほほえみの　
その笑顔で生きている　
　脳性マヒの　　
　　　　　わが息子　
そこにあなたがいるかぎり」
このように答えた母の詩を読み返していた。　　　　　

三十三年前交わされたこの、やさしさと、
人を思いやるほほえみにみちた、母と子の命の絆の詩は、
今の私に前に進めと、背中を　押し出す。　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　倖三　拝